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潮騒ジョブトレーニングセンター開設8周年フォーラム開く/首都圏ダルク連合のエイサー演舞で盛り上がる/ゲストの進藤牧師、近藤氏らも熱弁振るう
 「継続…そして未来へ」をテーマに、潮騒ジョブトレーニングセンター(JTC)の8周年フォーラムが11月17日、鹿嶋市宮中の鹿嶋勤労文化会館で開かれ、延べ約400人以上が来場した。潮騒JTCは鹿嶋市にある薬物・アルコール・ギャンブル依存症施設の民間リハビリ施設。全国に70カ所あるダルク(薬物依存民間リハビリセンター)の関連施設で、フォーラムでは潮騒が取り組む農業プロジェクトの報告や、画像資料を交えた内容の濃い講演、依存症回復の原点やビジョンを示唆する講演など、実り多いものとなった。潮騒の取り組み間もないエイサー(琉球太鼓)の演舞は、経験豊富な首都圏の先輩ダルクの面々が友情応援で盛り上げ、圧巻の舞台を実現した。参加者からは「余裕あるプログラム構成でよかった」「潮騒の着実な歩みがうかがえた」など一定の評価を得た。


 ■三重ダルク施設長が「東紀州プロジェクト」紹介
 今回のフォーラムは、これまで会場確保が難しかった鹿嶋市内中心部における初めての開催で、会場の定員規模が大きく、一般参加者の確保が課題となった。事前PRに力を入れたものの、観客動員力では潮騒の力量を改めて自覚させられた。それでも内容面では充実したものとなり、栗原豊施設長のクリーン10年を祝う意味合いを込め、カラフルな衣装が織り成すダルクの特徴あるエイサー演舞で、これまでにない盛り上がりとなった。
 プログラムは、午前中の「ファイザープロジェクトフォーラム」の部で、現在取り組んでいる潮騒ファイザープロジェクト報告が行われ、リーダーのヒトシさんから青パパイヤ栽培など2年間に及ぶ農業プロジェクトの活動その成果と課題などが示されました。このプログラムは大手製薬会社のファイザー社の助成を受け、前年から取り組まれている。
 この日はまず、三重ダルク(三重県津市)の市川岳仁施設長が基調講演し、現在取り組んでいる「東紀州プロジェクト」が紹介され、みかん畑での軽作業や弁当店の運営などが説明された。市川施設長は「助けてもらうだけでなく『自分も助ける』。『自分が役に立つ』という感覚が役立つ」と、依存症者の就労支援の意義を強調。無理して社会の基準に合わせることやダルクの中に“障害者枠”を作る動きに警鐘を鳴らし、「依存症の括りにこだわらない発想の柔軟さを」と広い視野での対応を求めました。
 体験発表に立った潮騒JTCのユウさんは、約15年にわたって薬物を使い続けながら仕事をしてきた過去を述べ「シラフで仕事を続ける自信が無かった。だから薬物を使った」と振り返り、潮騒農業自然隊メンバーに参加しての2年間について「やりがいを持って取り組んでいる」と前向きの姿勢を見せた。
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 ■進藤牧師が熱のこもった講演で「やり直しの人生」を示唆
 午後の「潮騒JTC8周年フォーラム」では、冒頭に仲間のエンさんが制作した「潮騒の仲間たち」と題したスライドを上映、日々の様子が紹介されました。続くエイサーの舞台では、潮騒の他に横浜、川崎、市川、千葉、藤岡の首都圏のダルクメンバー約40人がステージに上がり、エイサー演舞を披露した。
 各ダルクでは回復活動としてエイサーが定着しているが、この日は「ダルク連合」による珍しいエイサーの演舞で会場と一体のステージを実現。経験豊かな川崎ダルクのメンバーらがリーダーシップを発揮して、経験の浅い潮騒エイサー隊を引っ張った。参加者もかつてない勢いと迫力に圧倒された様子で、感動のステージとなりました。
 この後、今回のフォーラムのメーンステージであるゲストスピーカーの「罪人(つみびと)の友」主イエス・キリスト教会(埼玉県川口市)の進藤龍也牧師が登壇。進藤牧師は身振りを交えながらの熱い講演で聴衆を引き付け、「本物の敗北って『倒れたままでいいや』と思うこと。人はいつでもどこでもやり直せる」と述べた。
 来場者との質疑応答で進藤牧師は「現代病は『自分を愛せない』こと。罪を犯したからこそ神のところに行かなければならない。自分自身が愛せないから、他人も愛せない」と答えていた。
 体験発表では、潮騒JTC入寮者のキクさん、同じく入寮者で栗原施設長とは約40年のつきあいがあるテイさん、入寮者のサユリさんの話があった。挨拶に立った横浜ダルク施設長の坪倉洋一さんは、後発の潮騒が孤立とハンディを負った中で歩みを続けたことが、狭い感情対立や反発を乗り越え、より包括的で高い回復のポジションに立てている、と評価を加えた。
 日本ダルク代表の近藤恒夫さんは「自分のため、ダルクのため、だけではなく、国のため、社会のため、広い視点で依存症の回復を支援しよう」と訴え、ダルクの目標の“命のリレー”を原点に据えてより高い回復のステージに向けたビジョンを示した。
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 ■「世界一かわいい娘たちのためでもやめられなかった」と栗原施設長
 終盤には“サプライズ演出”として栗原施設長夫妻の子供でありながら、潮騒で依存症からの回復を目指す仲間でもある、スタッフのヒトシさん、マコトさん、それに栗原施設長をダルクにつなげたNAメンバーで姪のロバさんから、栗原夫妻に花束贈呈の一幕があった。
 栗原施設長は謝辞で「こんなヤクザでアル中でポン中だった人間が、感謝される立場に立つことが涙が出ます」と感謝の意を示した上で「今では2人の息子に感謝されています。息子を救うことができた」と述べた。一方で、過去に崩壊させた家族にも想いを馳せ、実子である2人の娘との苦い過去に触れ、「世界一かわいい娘たちのためでも覚醒剤はやめられなかった」「だから依存症は愛情では治せない。『愛情で治す』はかえって依存症を悪化させてしまう」と訴えた。その上で「私の中に悪魔が棲んでいる。サタンに負けないようクリーンを保っていきたい」と、クリーン10年の節目に決意を新たにした。
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以下は進藤牧師の講演要旨―。
 進藤牧師は冒頭「本物の敗北って『倒れたままでもいいや』と思うこと。いつでもどこでもやり直せる」と切りだした上で「その心はイエスキリスト。イエスキリストを感じました」と語った。刑務所服役中に、家族はもとより所属していた暴力団からも見放され「底付き」状態となり「神しか頼れなかった」と振り返った。
 進藤牧師と栗原施設長は同じ埼玉県出身で所属していた暴力団組織が同じという共通点があり、「ヤクザをしてて、(金などを)集めるだけが人生だった。今の私は与える人生になった。与える人生こそ人生を豊かにする」と、栗原施設長同様にヤクザ稼業から180度転換したことを力説した。
 また、「依存者だろうが、シャブ中、ヤクザでも立ち直ったら誰かの希望なる」と述べ上で「依存者でも大丈夫。仕事ができる、できますよ」と応援メッセージを送った。進藤牧師の教会では「納税者を目指す」を目標に、出所した受刑者など教会を頼ってきた人が、教会を住所して就職活動をして自立してもらう仕組みなどを説明した。
 進藤牧師自身も収入が無く病気などの理由で約1年数カ月ほど生活保護を受給し「『ずっと生活保護をもらおうかな』と思った」との心境を明かしながらも「人々を社会復帰させている私が受給したままでいいのか」と思い直し、一定のメドが経った時点で生活保護を終了させ「生活保護を切ってから道が開けた」と語った。ただ、「生活保護を必要な人は受けて。しかし働ける人は働いてください」と、一部の“生活保護バッシング”とは一線を画した。
 また、教会を設立した当初は「マル暴」(暴力団担当の刑事)から呼び出しを受けたが、今では警察が問題を起こした教会の入寮者に対し「お前、進藤先生に済まないと思わないのか」と説教するほど、警察から認知されるまでになり、これまで元警察署長や厚生省の役人など「お前らに何が分かんのかよ」と受刑者から反発を受けるような人間の講演がメインだった刑務所の講演会にも、「元ヤクザの話なら(受刑者も)聞く」ということで呼ばれるようになった、とした。
 キリスト教と出会った刑務所でのエピソードでは、「ヤクザの世界と刑務所しか知らない」進藤牧師は暴力団や家族からも“破門”された中、差し入れ聖書を読み、「私は悪人が死ぬのを喜ばない。悪から立ち直るのを喜ぶ」との一節を読み「理屈じゃなく開眼した」と目覚め、信仰の世界へと入ったと述べた。
 締めくくりで進藤牧師は「いろんなところでいろんな方法がある。私にできることは何でもしたいと思う」と、依存者の社会復帰を支援する意向を示した。


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