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元新聞記者による辛口コラム・エッセー、イラストと写真です。ご意見ご感想をお気軽にお待ちしています。(記事・画像の無断転載と無断複製・配布を堅く禁じ、万一発見した場合しかるべき処置を取ります)
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統一教会、文鮮明教祖の死で思うこと
 後発のオウム真理教に主役の座を奪われ、ほとんど忘れさられた感のあるカルト集団に、統一教会(世界基督教統一神霊協会)がある。その創設者である文鮮明教祖が死んだ。92歳だったという(9月3日新聞各紙に訃報記事)▼個人的には、まだ生きていたのかというのが感想だ。以前から死亡説があったが、統一教会側が明らかにしたというから今度は本当なのだろう。新聞などによれば、文氏は1920年、現在の北朝鮮平安北道定州出身。1954年、統一教会を創設して「教主」となり、ソウルの大学などを拠点として学生や知識層を中心に急速に信者を増やした▼58年に日本、59年に米国に支部を開いたのを皮切りに欧州など世界各国に活動を拡大。韓国メディアによると現在約190カ国に約300万人の信者を持つ。文氏一族は韓国では企業グループを保有する実業家一家としても知られる▼政治にも注力し、68年には韓国と日本で反共産主義団体「国際勝共連合」を創設した。反共活動の一方で、90年には旧ソ連を訪問、ゴルバチョフ大統領(当時)と会談。また、朝鮮半島の南北統一を唱え、91年には訪朝して金日成主席と会談した(以上、産経新聞)▼統一教会といえば、かつて「親泣かせの原理」「集団結婚」「霊感商法」「インチキ募金」などで問題になった、いかがわしい新興宗教団体とのイメージが強い。国際勝共連合と表裏一体の関係にあり、豊富な資金力で政界工作にも熱心な団体として知られる。国会議員だけでなく芸能界にも信者や信奉者がいるのは周知の通り▼その統一教会とは過去に苦い思い出がある。たまたま入学した大学が都内のキリスト教系の大学だったこともあり、因縁浅からぬ思い出がある。大学側は、60年代末から70年代初頭に吹き荒れた大学紛争(闘争)を経験し、その一つの総括として新たな学生管理の手段に原理研の学生を使った。僕の入った大学では一時期、他大学から原理研の学生を多数編入させて学生のサークル活動を一元支配させた▼それまで闘争の主体だった左翼学生らを大量に処分、追放した大学側は、秩序維持に従順な原理研の学生を学生管理の先兵に使った。折しも、その大学では、当時の大学支配者が信じるキリスト教の分派が反共だったこともあって、学生が学生を支配・管理する巧みな構造をつくり上げた。戦後民主主義の鬼っ子を排斥、放逐するには優れた手段だったが、誤算もあった▼当時はまだソ連や中国など社会主義圏がまだ力を持っていた時代で、「反共」という響きが戦後民主主義とは相入れない部分もあった。新聞や週刊誌など大手メディアは統一教会や原理研などを批判的に扱っていた。こちらも学生運動の一翼を最前線で担っていた関係から、このカルトの学生部に当たる原理研究会の学生らと何度かぶつかった。反原理運動のリーダー的な立場だったこともあり、後ろからいきなり角材で殴られて負傷したことも大学時代にはあった▼そして因果は巡るではないが、曲折を経て帰郷して職を得た地方新聞社でも、その後なにかと話題になった集団結婚や霊感商法について取材する機会を得た。もう20年近くなるが、統一教会信者が、かすみがうら市(当時は千代田町)のナシ農家の純朴な青年と家族をだまし、約5千万円を献金させる形で巻き上げた事件があった。当時、入信した若者たちの救出運動をしているキリスト教会牧師の奮闘で、無事に金が戻ったケースも密着して取材した▼信者は深刻な農村花嫁問題に付け込み、先祖の因縁解放だとして壷や印鑑を売り付け、保険も解約させて献金させた。その洗脳拠点が、県南では土浦駅近くにカルチャーセンターを偽装してあった。その騙しのテクニックを長期連載したこともあったが、入信する若者は総じて知的訓練が未熟だった。自分の頭で物事を考えず、何か絶対的なものに預けることで精神の充足を得ていた。人一倍寂しがりやで、「孤独」を乗り越える耐性も弱かった▼その傾向は、戦後最大の宗教事件となったオウム・サリン事件でも見てとれる。今、この傾向は大人にもまん延しているように思う。こうしたインチキ? 宗教にだまされたくなかったら、自分の頭を鍛えることだろう。もっとも、この霊感商法には裁判所も厳しい判断を下すようになった。もう10年近く前になるが、東京地裁が統一教会とその信者に、2億8900円の賠償命令判決を言い渡したことがあった。原告が違法な勧誘で多額の献金や商品の購入をさせられた、と認めた。―そんなことを文鮮明教祖の死で想い出した。

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テーマ:ニュース・社会 - ジャンル:ニュース

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