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ネットいじめの連鎖に警鐘/体験者や教師から貴重な提言/第二回不登校交流会開く/茨城 取手
 いじめ問題の解決にヒント―。大津市の中学生の自殺で、いじめ問題が世間の関心事となっている。そんな中、以前にも本ブログで取り上げた東海学院文化教養専門学校(取手市井野台)でこのほど、「第二回の不登校交流会・就学相談会」があり、不登校を体験した若者や現役のベテラン教師から、学校現場で深刻ないじめ問題について貴重な提言があった。
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 専門学校ながら不登校の子どもたちのサポートを手掛ける東海学院。自らの不登校やいじめ被害の体験を踏まえ、大津市の中学生いじめ自殺事件について話したのはMさん(17)だ。「僕の場合、不登校はいじめから起こった。クラスメートからのいじめが原因で学校に行けなくなり、自宅に引きこもる生活が続いて苦しんだ。でも、自分にも非があると考えるようになって、立ち直れた」と振り返った。
 Mさんは自宅で引きこもりながらも、対人恐怖症でのろまな自分の性格がいじめられる原因になっているとの自覚を深め、内省を深めた。そうして自分の性格を改善することで、いじめ問題を乗り超えられたという。ただ、「いじめた側は遊び感覚でしかなく、何ら反省することなく大人になった」として、加害者側に反省が生まれない理不尽ないじめの構造に悔しさをにじませた。
 一方で、大津市のいじめ問題ではいじめた側がネットで攻撃されていることを危惧した。「社会正義」を体現するメディアの過剰報道が「弱者」となった加害者やその家族を標的に、新たないじめを生んでいると指摘し、「いじめ自体は悪だが、いじめる側も心に満たされない何かを抱えている。それだけにネットいじめでは何ら問題は解決しない。憎しみの連鎖を食い止める本質的な解決策が求められる」として、より深い視点から問題提起した。
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 これを受けて、作家で精神対話士の資格を持つ八覚正大さん(59)が講演。長く教壇に立ち、生徒指導担当として困難な子どもたちの現実と向き合ってきた人だ。その豊富な経験を踏まえ、不登校や暴力、いじめ問題などで悩める子どもたちの内面に寄り添いながら、具体的にどう対処してきたかを、興味深い事例を交えて話した。
 八覚さんは、学校現場でいじめに気付いたら、▽直面・介入し、教師の直感を働かせて病理の構造を理解する▽個人ではなくシステムとして対応する▽生徒に対して後ずさりしない、ひるまない▽被害・加害生徒に平等に対応する▽情報をオープンにする▽裁判まで持ち込まずにできるだけ学校内で解決する―などの原則にも触れた。
 その上で、「いじめとは関係の病。その修復には大人の対応が求められる。マスコミの犯人探しは結果でしかなく、その前に教育の役割や可能性がある」と力説。さらに「学校は構造的な病に侵され、もはや聖域ではなくなった」としながらも、メディアや警察の勧善懲悪的な視線に流されずに、「いじめという言葉そのものを変える時代に来ている」と述べ、社会全体のダイナミックな認識の転換を促した。
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 東海学院では今年四月にも同種イベントを開いており、今回は地元の支援グループや不登校・引きこもりの子どもを支える団体、専門相談員などの協力を得た。参加者は20数人にとどまったが、全体の討論では「不登校はなぜ起こるか、その苦しみの中身と実情、そこから抜け出す方法」などが熱心に語られた。
 東海学院の村上一男校長は「今こそ教員の力量や質が問われている。時代に合った教育が行える教員を育てなければならない」と語り、担当者の吉田明さんは「遠回りに見えても、こうした地道な取り組みが大事。地域でいじめや不登校の問題を共有化できれば、人知れず苦しんでいる子どもたちにも情報アクセスが可能になると思う」と期待を込めた。

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いじめ問題で参加者から深い視点で討論があった「第2回の不登校交流会・就学相談会」=東海学院の高等課程教室

テーマ:いじめ - ジャンル:ニュース

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