FC2ブログ
元新聞記者による辛口コラム・エッセー、イラストと写真です。ご意見ご感想をお気軽にお待ちしています。(記事・画像の無断転載と無断複製・配布を堅く禁じ、万一発見した場合しかるべき処置を取ります)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
福祉の裏に善意の欺まん
 北海道浦河町に「べてるの家」という精神障害者の居場所がある▼「べてる」とは旧約聖書に出てくる地名で、「神の家」という意味だ。ここでは精神障害者が地域に根を下ろし、互いの弱さを素直に出し合い、認め合いながら共に生きる場となっている▼地元特産の日高昆布の加工・販売を行う小規模作業所、介護用品の販売などを行う福祉ショップ(有限会社)、メンバーが支えあって暮らす八カ所のグループホーム(共同住宅)で構成する▼彼らは精神保健福祉手帳を使わない。減免制度も利用しない。そもそも手帳自体をもらっていないようなのだ。彼らはお金をほとんど持っていない。はっきり言って貧乏だ。でも、彼らは明るく堂々としている▼代表の早坂潔さんは世で言う知的障害があるが、そのパワフルな行動力はハンディを感じさせない。最近はテレビでも取り上げられるようになった。でもここまで来る道のりは苦難に満ちたものだったに違いない▼私たちは社会福祉というと、とにかく無料になることがいいと考えがちだ。でも、そのことが障害者本人に本当にいいことなのだろうか。制度運用の仕方では、逆に障害者の自立を阻む要素をはらんでいないか▼障害者福祉手帳によって、私たちはお金を払う自由、貧乏する自由を奪ってきたのではないか。いかに障害者を健常者に近づけるか―福祉政策の根本には「障害者=不幸」という一方的な思い込みがある▼福祉の裏には善意の欺まんが張り付いている。

12070201.jpg
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。