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「刑罰よりも治療を」の流れ、日本でも/期待集める刑の一部執行猶予制度/当事者活動のダルクにも課題
 薬物事犯の社会内処遇に道を開くとして、関係者・機関の期待を集める「刑の一部執行猶予制度」。今国会で衆院を通過すれば、成立する見通しだ。薬物依存症の民間回復支援施設、ダルクが「薬物依存症者に刑罰よりも適切な治療と援助を」と訴えてきた流れに、やっと光が当たりそうな気配だ。だが、全国に関連施設が約70カ所あるダルクの全てが、もろ手を挙げて賛成しているわけではない。この制度では、当事者への尿検査や薬物使用が分かった場合の通報義務などが課されることから、国や行政の援助に頼らずに自主運営で踏ん張って来た古参のダルクには「国にダルクの魂を売るのか…」という割り切れない思いもあるようだ。(三回に分けます)

 ■行政から評価の高い栃木ダルク
 5月26日、栃木県宇都宮市内で開かれたNPO法人・全国薬物依存症者家族連合会(薬家連)の第9回公開フォーラム。参加者は延べ150人程度だったが、「つなごう、地域の力~薬物依存症者の回復ネットワーク」をテーマに関係者が熱心に意見を交わした。同県は国の第3次薬物乱用防止5カ年戦略に沿って、平成21年度から薬物依存症対策推進委員会を設置、モデルとなる薬物依存症対策事業に取り組んでおり、意義ある開催となった。
 薬物事犯の初犯者はほとんどが執行猶予となるが、これまで教育を受ける機会がないために再犯につなることが多かった。同事業はこれに反省を加え、県薬務課と県警、民間の栃木ダルク(栗坪千明代表)が連携し、初犯の薬物事犯者に早い段階で再乱用防止の教育プログラムを実施する内容、対象者には尿検査(任意)がある。修了者には3年間の経過観察・指導のフォローアップがあり、家族のケア、広く専門の相談窓口も設けている。
 昨年度からは、宇都宮保護観察所が栃木ダルクに委託して、薬物事犯者が刑務所出所後に回復プログラムを受ける期間の生活費を支給するパイロット事業(法務省保護局「緊急的住居確保・白立支援対策事業」もスタート。県事業とともに、日本版ドラッグコート(米国に普及する薬物専門裁判所)の道を開くものとして期待を集める。
 栗坪代表は「薬物依存症は病気なのに、日本には犯罪の視点しかなかった。この考え方や一般の理解不足が再犯率の低下にブレーキをかけてきた。国が出所後のリハビリの必要性を認めたということは大きな一歩。薬物事犯者にリハビリか受刑かを選ばせるもので、再犯率低下と刑務所経費の削減にもつながる」と高く評価する。
 保護観察所の事業では尿検査が義務として課されるが、「県の事業も含めこれまでは全員が陰性だった。本人にとっても薬物を使わないクリーンタイムが続けられているという自信にもつながり、ほとんど悪いイメージはない」と“問題なし”とする。
(続く)

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NPO法人・全国薬物依存症者家族連合会の第9回公開フォーラムでも「刑の一部執行猶予制度」で熱心な意見交換があった=5月26日、宇都宮

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