元新聞記者による辛口コラム・エッセー、イラストと写真です。ご意見ご感想をお気軽にお待ちしています。(記事・画像の無断転載と無断複製・配布を堅く禁じ、万一発見した場合しかるべき処置を取ります)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
親父の団子
家内の実家は元和菓子屋である。元というのは親父殿が病に倒れて廃業せざるを得なくなったからだ。

常時一人で天井を見ているのは寂しかろうと時々様子を見に行くことにしているが、根っからの職人なのだろう。事あるごとに手先の動きが、その昔に動かしていた和菓子作りの工程を再現しているし、会話の内容も「今頃は○○をしていたもんだ」などと仕事の話で途切れることがない。

 体型からは想像もつかない両手はゴツゴツとして、明らかに職人の手である。さらに家系なのか両指が大きく曲がるのだ。そういう曲がる指を持つ人は生まれつき手先が器用なのだと昔に聞いたことがあるが、自分の指は曲がらないから、やはり当たっているのではないかと思っている。

 親父殿が倒れる前は月見の頃になると家内と手伝いに行き、欠かさず実家で販売する団子を分けてもらったものだ。十三夜の九日はテレビの上に月見団子が供えてあった。本当は親の作った団子をと思うのだろうけれども、今はプラスチックケースの安っぽいパック品になっている。それを見せたら親父殿は何を語るのだろうか。

_MG_1553.jpg


コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。