FC2ブログ
元新聞記者による辛口コラム・エッセー、イラストと写真です。ご意見ご感想をお気軽にお待ちしています。(記事・画像の無断転載と無断複製・配布を堅く禁じ、万一発見した場合しかるべき処置を取ります)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
近藤恒夫氏連載第14回。カリスマが仕切る時代は終わった/恨みを買うことなく四半世紀
 ●いつの間にかリーダーが権力者に

 僕がダルクをつくって4半世紀になった今、関連の施設を含めるダルクは70近くになる。一人でいくつもの施設を運営しているケースがあるからね。でも、ダルクは本来、一施設一人でいいんだ。一人がたくさんやると、どうしても目が届かなくなる。縦の関係ができて、ピラミッドのようになる。
 よほどしっかりしていないと、上に立つ人間はいつの間にか権力者に祭り上げられてしまう。そこから新たな支配と依存の関係が生まれる。クスリは止まったのに今度は人間に依存する構造が生まれるんだ。その結果、いつの間にか施設リーダーはヒーローみたいに扱われるから気分よくなり、勘違いするんだ。
 いろんな人たちの支えによって運よく回復の道を歩めているという謙虚な姿勢が次第に失われて、「自分がいるからこの施設が成り立つんだ」「自分には指導力や経営手腕があるから偉いんだ」と勘違いしてしまう。同じ薬物依存症からの回復を目指す仲間という自覚を失い、次第に周囲をコントロールするようになる。
 だけど緩やかな横の連携だけで維持されているのがダルクなんだ。薬物依存症者の受け皿となるから、ダルクは地域社会にたくさんあった方がいい。でも、施設はみんな水平な関係なんであって、そこにはグループ化はもちろん全国制覇なんかの野望はないんだ。ヤクザのような上下関係はもちろん、こっちが優れて、あっちが劣るというパワーゲームの発想が持ち込まれたら最悪だね。
 世間にダルクが知られていない時代には、ある種の影響力のあるカリスマが必要だったけれど、今のようにダルクの知名度が高くなると、もうカリスマは必要ないね。昔は得体が知れないからバッシングされたけど、今はメディアもある程度ダルクを認知してくれるようになった。だから、カリスマがダルクを仕切る時代は過ぎたんだ。

 ●一つぐらいは地域にダルクを

 施設リーダーが、俺の意に添わないやつはだめだとか、昔の徒弟制度みたいに修行しろとか、何年か奉公すればスタッフにしてやるという発想はダルクにはないし、そういう主張はすべきではない。ダルクはやりたい人が手を挙げてやればいい。だれがやってもいいんだよ。まあ、施設で現場スタッフを経験していて、せいぜい3年くらいクリーンタイムがあった方が望ましい、ってことぐらいはあるかもしれないけど。
 そう考えると、ダルクは地域やコミュニティーの中に一つぐらいはできてほしい。理想論かもしれないけど、やり方も地域に合ったスタイルであればなおいい。仕事を中心に就労支援をしたり、研修とか教育的なものを得意とするダルクがあっていいんだ。それぞれのダルクが個性や持ち味を発揮して、いいところを伸ばしていけばいいと思う。
 僕はダルクに手かせ足かせを一切かけてこなかった。唯一クスリをつかったら、それはルール違反だから退寮して1から始めなさい、と言うだけ。みんな平等に扱ってきたつもりだよ。だから、吹けば飛ぶようなダルクだけど、薬物依存症者から恨みを買うことはなかっし、放火もされなかった。それは誇っていいと思う。これで終わります。

(終り)

近藤連載13
近藤恒夫氏とともに活躍する茨城ダルクの岩井喜代仁代表。カリスマの時代が幕を閉じようとしている?





コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。