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近藤恒夫氏連載第8回。刑務所では正直にはなれない
●次は捕まらずにうまくやろう

 ダルクに入寮してくる人たちの大半は刑務所体験がある。彼らの話を聞けば、こと薬物問題に関しては、矯正機関としての刑務所には限界があると思い知らされる。世間が思い描く刑務所の役割イメージとは大きく食い違っているんだ。世間は刑務所で薬物はストップできると安易に考えている。きちんと更生できるはずだと、ね。
 そうした意識を反映しているからか、薬物事犯については国の矯正制度も同じ。基本はクスリ(薬物)やめて出所してきたんだから、それで終わり、問題解決という対応なんだ。百歩譲って、もしそうだとするなら、薬物事犯はみんな人格者になって刑務所から出てくるはずだよ。表情も態度もよくなって、借りてきた猫のようになってさ。
 ところが薬物事犯にとっては、とても正直になれる場所ではないですよ、刑務所は。受刑者同士仲良くなって、連絡取り合って新しい入手ルートを確保したり、出所したら次は捕まらないでうまく使ってやろう、ってなる。自分を内省したり、高い次元で人格を確保したりできる場所じゃない。
 どっちが強いか弱いか、利口か馬鹿か、要領がいいか悪いか、カネがあるかないか、おれの組とおまえの組はどっちが強いか、そういうパワーゲームの環境下で、正直になれっていう方が無理でしょう。「困ってます、助けてくれ」なんて言ったら笑われちゃうよ、刑務所では。だから正直になれないんです。

 ●法務省はアメリカの物まね

 そうはいっても最近は薬物事犯者に対して、刑務所でもいろんな試みしてるようだ。やれマトリックスだ、やれ認知行動療法だ、なんだかんだとね。外国の刑務所のプログラムを日本語に直して、あたかも法務省が作ったようにやるわけ。僕は情けないと思うんだな。横文字を日本語に直しただけ、日本の道徳教育の方がオリジナルな分だけましかもしれない。
 それが一貫して日本の法務省の流れなんですよ。キャリア組か何んか知らないけど、やたら職員を外国に研修に行かせるでしょう。職員も英語をちょこっと勉強して、外国のシステムを勉強してくるとね、とたんに外国のプログラムにへばりついちゃうんだな、外国かぶれみたいに。日本語きらいなのかね。それともコンプレックスを抱いてるのかな。とにかく何もいいことがないですよ、アメリカの物まねは。
 よくアメリカ、アメリカっていうけど、アメリカは刑務所を増やし過ぎて大失敗している。厳罰主義でね。とにかく刑務所に送ればいいとして、かつては250万人の受刑者を収容した。多い時には280万人となり、300万人に迫る勢いだった。一方、日本は拘置所を入れてもせいぜい7、8万人程度。アメリカはケタ違いに多い。だからアメリカは仕方なく民間刑務所を作った。

連載第8回

ダルクの基本は1日3度のミーティングに出席すること。回復の鍵は自分に正直になることだ

テーマ:ニュース・社会 - ジャンル:ニュース

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