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元新聞記者による辛口コラム・エッセー、イラストと写真です。ご意見ご感想をお気軽にお待ちしています。(記事・画像の無断転載と無断複製・配布を堅く禁じ、万一発見した場合しかるべき処置を取ります)
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近藤恒夫氏連載第2回。身近な地域の警察で再犯防止を/刑務所は「売人リクルート」の場か?
 ●刑務所も「ダメ。ゼッタイ」

 薬物依存症者は刑務所で更生できればいいのだけれど、そうは問屋が卸さない。すっかりヨレて「ダメ」になってきているのに、刑務所に行っても「ダメ。ゼッタイ」。すっかりお手上げ状態なのに、追い打ちを掛ける。これじゃあ、薬物依存症者は夢も希望もない。
 そうじゃなくて、あなたのやった行為はダメだけど、あなた自身は否定されたわけじゃない。だから、あなたにはまだまだ希望はあるんだ、と。そういうのが人間らしい賢い知恵の出し方じゃないのかな。薬物依存のあなたにも実は希望があるんだよ、人生捨てたもんじゃないんだよ――そういう風に社会内での処遇を考えるべきなんだな。
 その上で、社会には、あなたを援助する、こういう場所やシステムがある、まずは相談してください、ってね。そうすれば薬物依存者は救われますよ。
 でも、現実はそうじゃない。矯正施設のはずなのに刑務所内にも「ダメ。ゼッタイ」運動のポスターが貼ってある。「お帰りなさい」というのもあるね。刑務所に戻って歓迎されるなんてブラックユーモアだね。(薬物依存という病気が)分からない人たちはそういうことを平気でやるんだな。そういう人たちに、何が問題かってことを教えてあげなければいけない。

 ●身近な地域の警察で再犯防止を

 以前に、国のモデル事業で警察庁の更生プログラムをやったことがあるんだよ。覚せい剤の単純自己使用者が再犯しないようにコントロールしようということで、警察と日本ダルクとアパリが一緒になって、薬物事犯の人たちを1年間52週にわたり、毎週土曜日彼らにミーティングをやらせた。
 そのとき都内のある警察署から送られてくる人たちが、やたらに多かったんだ。どうやらそこに熱心な警察官がいたんだな。薬物依存に理解のある警察官で、今は本庁に異動したのかな? この警察署では今も捕まえた人の家族会をやっている。これは薬物依存問題の本質からすれば、とても大事なことなんだ。
 警察は犯罪者を捕まえるだけでなく、再犯を防止するという防犯の、いい意味での仕事がある。同じ司法機関でも警察は僕らの身近な地域にあるけど、いったん起訴されて裁判になっちゃうと、薬物依存者の処遇は、もうわれわれの手が届かないところで決定される。でも、警察の段階ならまだ何とかできるはずで、検察官(検事)の判断で不起訴にできるはずだ。そうして社会内で処遇すればいい。

 ●売り手と買い手が一緒に居る

 だってさ、刑務所にいってしまうと(売人に)リクルートされちゃうんだな。そうして何回も刑務所にいくようになってしまう。これは仕方がないんだ。なんたって刑務所という場所は(覚せい剤などの)売り手と買い手が一緒にいるわけだから。これって最悪だよね。当然やめづらくなって出ていくでしょう。ぼくは、これを“売人リクルート”と言ってる。
 刑務所から出てきたとたんに売人の手先になってしまう――こんな単純なことは、われわれには分かり切ったことだけど、東大法学部卒の優秀な国家官僚の人たちには分からないんだ。なにしろ、刑務所なんて行ったことも見たこともないんだから。そういうことは、ぼくたちが教えてあげなければいけない。

【アパリ】NPO法人・アジア太平洋地域アディクション研究所の略称。医師、弁護士、研究者らを構成員とするダルクのシンクタンク。保釈中の刑事被告人に対する薬物研修プログラムなど再発防止に向けた各種取り組みを先進的に行っている。全国で唯一、依存症の専門治療を受け持つクリニックも開設し、海外と連携した活動も推進。理事長は近藤恒夫氏。

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薬物依存症の回復で効果を発揮している太鼓パフォーマンス。エイサー(琉球太鼓)に取り組むダルクも増えている

テーマ:ニュース・社会 - ジャンル:ニュース

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